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2004年06月 第17冊
林董一「将軍の座」

林董一(ハヤシ トウイチ)  「将軍の座」  講談社文庫

早稲田の古書街で偶然見つけた1988年刊行の古本です。
私は下司な野郎でして、江戸時代の「お家騒動」ネタが大好きです。
(あ、あぁ〜、告白してしまった)
本書は徳川総本家である公方と、尾紀水のいわゆる御三家の権力抗争を検証した史書。
小説形態でなく学術的な考察がなされてましたが、
何せ大好きなネタですから大変楽しく読めました。

私は本籍が紀州で、生まれ育ちが京都、中高を尾州で過ごし、
大学はある地方都市、そして社会人は関東各地です。
徳川四家では、水戸家以外は全て網羅しております(紀州は住んでませんが)。
それだけに各地の土地柄や風土を噛み締めながら、本書も楽しめました。

著者は愛知学院大の先生だけあって、途中の尾州宗春あたりから尾張中心に
話が進んで行ったのが残念でした。

いろいろ住みましたが、今も昔も心の拠り所は「京都出身」です。
これは多くの京都人共通の思いではないでしょうか。
京都人は親代々、京都に生まれ育った事への誇りを説かれますし、
私のような歴史好きには益々郷土贔屓になります。
音楽的には東京は天国ですが、歴史的には京都は懐かしい、の一語に尽きます。






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