2004年06月 第18冊
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池宮彰一郎 「義、我を美しく」 新潮文庫
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山田風太郎の雑文集でも感じた事ですが、
博学で引き出しの多い人は何を書いても面白い。
著者は映画の脚本家で数々の作品を手がけてきた人ですが、
69歳にして作家デヴュー。
しかもそれが映画にもなった「四十七人の刺客」。
ご高齢の方と接していて多数の方が語られるのは
「年を取ると何事にも億劫になるよ」。
それだけに著者のヴァイタリティーに恐れ入りますし、
我々も負けてられん!と発奮します。
本書は著者の雑文集なのですが、「島津奔る」とか「本能寺」「遁げろ家康」等で
ファンの人は必読書ですよ。
池宮爺さんの苦言を素直に拝読しましょう。
こういう芯の通った男の言葉は、心に響きます。
最後に。
心に残った一文に、小津安二郎監督の言葉を載せています。
「面白くないものは芸術ではない」
なんていい言葉なんだ...!