2005年07月 第91冊
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森岡浩 『名字の謎』 新潮OH!文庫
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中学生の頃、歴史好きの私は自分の祖先が何だったのか、非常に興味を持った。
関西方面の僻地で農家を江戸時代はやっていたのだが、
戦国時代までは地侍をしていたそうな。
砦みたいなシロモノに住んでいた名残が今の苗字なんだろうが、
どうせならもっと格好いい城名にして欲しかった。
白鷺城(姫路城)だったら白鷺(しらさぎ)さんだし、青葉城(仙台城)
だったら青葉さんだったろうに...。
でも名古屋城だったら金鯱(きんしゃち)さんなわけで、これは厳しいかも。
私はそんな由来で今の苗字なのだそうだが、人にはそれぞれ苗字がある。
これが世界でも類を見ないほど多種多様で、一つ一つにドラマあり。
また、面白苗字なんかも多数紹介してある。
本書のブックカバーにも、
「七五三」と書いて「しめ」...?
「四月朔日と書いて「わたぬき」もしくは「つぼみ」
「栗花落」と書いてんのに「つゆり」...どうして?
こんな事は序の口で、各県ごとの特徴や珍名奇名、
源平藤橘から名家のいきさつ、果ては世界の苗字の傾向まで開陳している。
そういえば、欧米のスターなんかそれぞれの苗字でなんとなく
どこの国の人か想像つくもんね(移民していたら判らないけれど)。
苗字なんて関係ない、要はその人こそが大事だよ、なんて思っている人には
向かないけれど、知っていても悪くない雑学がふんだんに押し込まれている。
ブックオフでも良く見かけますんで、チャンスがあれば読んでみると面白いと思います。