2005年10月 第118冊
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京極夏彦 『嗤う伊右衛門』 角川文庫
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唐沢寿明と小雪の共演で随分話題になりましたよね?
え、そうじゃない?
京極夏彦自体が有名だって?
ワタクシ初めての京極読本なんですが、多分もう読まんと思う。
これだけベストセラーになっただけあって、そこそこ読ませはするんだが、
傑作とは程遠いんじゃ無いでしょうか。
この本が無名だったら、無名ってのは残念だなと思うかもしれないけど、
それほど話題になるほどでも無いんじゃ無いかな。
かの有名な四谷怪談を新たな解釈で斬新に描いた作品、ってな
触れ込みのようだが、これじゃぁ男も女も何が楽しいんだか良く解らない。
伊右衛門とお岩さんが本心は好きあってたとしても、
あれほど捻(ひね)くれて擦れ違うものかなぁ。
歌舞伎の東海道四谷怪談の方が、
よほど納得のいく荒筋だと思うんですけど。
私だけ?
京極氏は大沢氏と宮部女史と組んで、ひとつのオフィス(大極宮)を
やっているのでも有名。
宮部ファンの縁で、京極作品も読んでみるか、と手に取ったんですが、
これじゃぁ大沢作品も二の舞かなぁ。
全然面白くなかったって程でも無いけど、
別に読まなくっても少しも人生損しない作品だよ。