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2005年10月 第125冊
森薫  『エマ』

森薫  『エマ』(現在第6巻発売中)  ビームコミックス

アキバのメイド喫茶が変な風に流行ってしまっているので、
書店でこの本を買い辛かった。

でも、気になっていた。
そんなある日、ブックオフで同著の「シャーリー」という漫画短編集が
あったのでパラパラと読んで見たのだが、これが面白い。

もの凄い感動とか、圧倒的なストーリー展開というわけでも無いんだけど、
ほんわか・じんわりくる話ばかりで、こういうモノが書ける人で、しかも
話題の「エマ」なんだから、こりゃ急いで読むべきだなと今頃思った。

ネックは単行本一冊651円だったんだが、と或るブックオフで
1巻から5巻までが計1,750円だったから飛びついた。
最新刊はさすがに定価で買ったが、全巻読後の今なら、
全巻定価で買っても惜しくは無い内容だった。

著者森薫は微妙な名前ですが、本人曰く女性。
女史の好みが相当異様なので男性説が消えないのはやむをえんと
思うのですが、作品に一貫とした理性と気品が貫けているのは
女性ならでは。

上流階級の御曹司と親無し子上がりのメイドのラブストーリーなんですが、
現実的な諸問題がリアルに書き込まれているし、ビクトリア朝の大英帝国が
丹念に描かれてゆきます。

現在最新刊である第6巻では、ヒロインのエマに飛んでも無い災いが
降りかかってくるのですが、次から次へと波瀾に満ちた展開と、
その合間に描かれる現実的な日常が上手く織りなされています。

私みたいに、少し気になっている人は、大至急。
全然知らなかった人は、これも縁。
どちらにせよ、読んで面白く無いと思う人がこの世にいるのだろうか、と
思うくらいの漫画です。






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