2005年11月 第134冊
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角田光代 『これからはあるくのだ』 文春文庫
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深夜TVの爆笑問題の司会で、角田光代がゲスト出演していた。
海外旅行によく行くとか、人を観察することが多いとか、
そういった話だったと思う。
美人じゃないけどかわいらしい女性だった。
だけど、なんかひと皮剥ければ別の顔が飛び出てきそうな、
奥深さがある人に感じた。
まだTV出演には慣れて無いからだろう。
毎日のようにコメンテイターとして出てれば、クセのあるキャラになりそうだ。
最近、トミに書店でよく見かけるのは、直木賞を取ったからだろうが、
信頼している書評メルマガでも「空中庭園」が好評だった。
そこで私も遅れじと、若き頃のエッセイ集である本書を読んでみた。
でも、かなりダメだった。
エッセイと小説は違うんだろうけど、まだまだ若書きな、「自分の特異さ」
を意識し過ぎた思い出話が多い。
だいたい作家になろうとする人の幼少期なんて、変人が多いことがほとんどよ。
あんただけが変な子供だったわけじゃ無いよ、と言いたい。
普通のその他大勢の子供が、大きくなるにつれドンドン変な大人に
なってゆく方だったら、珍しいけどね。
それにしても思うんですが、エッセイ書く人って自分の子供の頃の思い出を
事細かに覚えているもんですな。
覚えているからこそ作家になれるんだろうけど、私なんてホントに覚えていない。
いつもボケェってしてたんだろな、今もだけど。
ま、これに懲りずに角田さんの著作はまだまだ読もうと思っている。
特に「空中庭園」。
一番最初にこの本から角田さんに入るのは、失敗なんだと思う。