2005年12月 第139冊
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「新潮45」編集部 『その時殺しの手が動く』 新潮文庫
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新潮45編集部による殺人事件ノンフィクション・シリーズ第3弾。
ヘドが出るような悲惨な事件が、これでもかと9つ収められている。
相変わらず、綿密な取材と正義に立った視点で、事件を洗い出してゆく。
9つの話を読み終わって、どの話も疎かに出来ないほど心に残って
しまったが、もっとも不快で怒りを感じているのが、
「さいたま実娘拷問殺人事件」だ。
実母のようには成りたくないと思いつつ、結局は実母以上に
鬼畜な虐待を徹底していく母親。
たった2歳で苦しみ抜いて死んでいった幼児は、
まさに神に救い上げられんために窮死したようなもんだ。
猛烈にアタマにくる。
昨今多発している幼い子の殺人事件、まったくこの世は滅茶苦茶だ。
犯人たちに極刑が下らねば、まったくもっておかしな話だと思う。
悪い事をしたら、罰せられる。
酷い事をしたら、その何倍もの報いが自分に返ってくる。
当たり前のことなのに、最近の判決は生っちょろいのでは?
本書によって、犯罪がいかに恐ろしく憎むべきものかを、
あらためて感じた。