2006年02月 第162冊
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文藝春秋編 『青春の一冊』 文春文庫
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どうも私はこういった読書案内モノを読むのが好きでして、
しかもオムニバス&アンソロジィが佳い。
いろいろな作家が、自分の青春と読書遍歴を語る。
全く意外な読書歴の人もいれば、若いころからそうだったのか、
という人まで色とりどり。
前者は東海林さだおの青春が太宰治だったことだし、
後者は塩野七生が学生時代からイタリアを研究していること。
そんな雑多な青春記の中から、私が「読んで見たい」と思わせられた
4人を紹介しよう。
○俵万智おすすめ、 清水邦夫「ぼくらは生れ変った木の葉のように」
演劇に打ちこんでいたそうで、これはシナリオというか、脚本のようです。
○五味川純平おすすめ、 スタンダール「赤と黒」
薦め方がウマイ。名作で有名であるだけに、私も読みたくなった。
赤は軍人を、黒は僧侶を顕しているそうで、どちらも当時の貧乏人が唯一
出世できる職業だったとか。
○高樹のぶ子おすすめ、 原田康子「サビタの記憶」
高樹のぶ子は好きなんですが、彼女が堂々と好きな一冊と宣言しづらかった本だという。
誰にだってあるよね、そういう本が。
でもそういう本って、やはりいいモノが多い。
○南木佳士おすすめ、柏原兵三「徳山道助の帰郷」
この本で南木さんは作家になったそうで、彼が小説の手本にしているそうだ。
どれほど凄いんだろう。
ちなみに、阿部牧郎がラディゲの「肉体の悪魔」を紹介している。
さもありなん、 と思うのだが、昨日書店で見つけたので買ってしまう。
こういう紹介にはすぐ飛びついてしまうのだった...。