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2006年02月 第164冊
井沢元彦『日本史の叛逆者 私説・本能寺の変』

井沢元彦  『日本史の叛逆者 私説・本能寺の変』  角川文庫

前々から気になっていた井沢元彦を読む。
もうこの人の著作は5冊買ってあるので、今後も読むと思います。

本書はいわゆる「イフ」もの。
もし、本能寺で信長が助かっていたら。
明智光秀の叛逆にいち早く気づいた寄騎武将は、明智の警戒網を強行突破し、
信長が住まう本能寺へ御注進。

機転と行動の早い信長はスタコラサッサ、大阪へ逃げ落ち、あっさり光秀を返り撃ち。
実にありえそうな「イフ」です。

ここからが井沢氏ならではの独創なんですが、
信長の心の変化に着眼する点に感心した。
それまでの信長は、お坊ちゃん育ちの癇癪玉。
切れすぎる頭の良さは誰もが認めるところですが、人の心の機微が分からない。

光秀が叛逆したのも、彼が耐えに堪えていたココロが読み切れていなかった、
という解釈はもうみなさんもご承知のとおり。

信長は光秀討伐の際、異常なまで光秀の生捕りにこだわります。
生捕りにした光秀を残虐な方法で処刑したいのかなぁ、と読んでいたら、
信長は光秀に「どうして俺に叛逆したのか?」を聞き出します。

うーむ、確かにこういう真理を追究するのは信長らしい行動でしょう。
そして、光秀のココロを知った信長は変るのです。
人のココロを知った信長は、強い強い。
そのあとの快進撃は...少し詰まらなかった。






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