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2006年05月 第182冊
レスラー『FBI心理分析官』

レスラー  『FBI心理分析官』  ハヤカワ文庫

昨今は異常事件が多すぎですよね。

毎日のように殺人事件があり、毎週のようにその殺人事件は
複雑なドラマを呈している。そして中でも月に1回は、
女性や幼児などの弱者を狙った救いがたい事件が起こっている。

どうなってる、ニッポン。
ここが本当にあのニッポンなのだろうか?

私はこんな日本にしてしまったのは、勝ち組とか負け組みとかいって
騒いでいたマスコミの責任が最も重いと思ってる。

あいつらはいつも自分たちの享楽的な世界を棚に挙げて、
絶えず攻撃対象を探している。マスコミも千差万別、
真面目にコツコツと金にはならなくても訴えなきゃならない事を
切々と闘っている人もいると思う。

でも、あまりにも人の不幸の尻馬にのって金儲けと視聴率稼ぎに
翻弄されているものが多い。だから、私はマスコミ大嫌い。


さて、今回はそんな日本がお手本にしていたアメリカの、
これまた悲惨な犯罪社会を赤裸々に綴った一冊。

映画「羊たちの沈黙」や「X−ファイル」はあまりにも
残酷で、映画だからこそデフォルメしてるんだと思っていたが、
アメリカの現実はこの映画を地で行く戦慄だ。

アメリカという国も可哀想なところで、あそこまで
資本主義と拝金思想が徹底されていたら、その異常性社会の落とし児も、
これまた異形になるというものか。

心理分析官だったレスラー氏が関わった事件をもとに、
本著は残虐無類な事件が綴られてゆくが、読んでいて気持ち悪くなってゆく。
自分自身に、現実を知らなきゃいけないんだ、と言い聞かせながら読んだ。

これを軽々と読んでいける人は、どこかネジがはずれているんだろう。

もう十年以上前に発表された本書だが、
近ずきつつある日本の未来がここに描かれている。






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