2006年08月 第194冊
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新潮45編集部 『殺戮者は二度わらう』 新潮文庫
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「新潮45」によるノンフィクション・シリーズ第4弾。
このシリーズは面白かった。
現在シリーズは本書の第4弾までしか発行されていないようで、
続巻の発売が待ち遠しい。2003〜2004年の記事が中心
なので、今も雑誌の企画が続いていれば、ネタは溜まってきただろう。
本書では9つの事件を集めている。
神戸「風俗王」惨殺事件
千葉「キャバクラ嬢」撲殺事件
横浜「恋人一家」惨殺事件
北九州「監禁男女」連続殺人事件
新城「資産家三代目」誘拐殺人事件
神戸「大学院生」リンチ殺人事件
和歌山「メル友」絞殺事件
板橋「精神科医」患者絞殺事件
名古屋「アベック」殺人事件
まったく毎日のように凶悪犯罪が次から次へとワイドショウを
賑わしている昨今、上記の事件名だけではどんな事件だったか
ピンと来ない読者もおられようが、読めばきっと
「あぁ、あったあった」と思い出されるようなものばかりだ。
簡潔に、それでいて深く掘り下げて事件は追われていくが、
興味深いのは事件関係者の「その後」も追っていくこと。
直接インタビューしたり、地域に住んでいられなくなって
街を去ってゆく犯罪者の家族など、なんとも痛ましく生々しい
後日談が付いている。
私はどうしてこういった事件ノンフィクションが好きなんだろう。
野次馬根性が強いだけなのか?
小説には盛り込めない、リアルには何があるのか?