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2006年10月 第207冊
椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』

椎名誠  『さらば国分寺書店のオババ』  新潮文庫

昔は嵐山光三郎、食なら東海林さだお、と云ったバカバカしいことを
真面目に考察したり怒ったり。私だって似たようなものを書いてるんだが、
こうやって文庫本で読んでみるとクダラナイ。

前回、椎名氏の「新橋烏森口青春篇」を読んで、結構この人の
小説って面白い、と思ったので、エッセイならさぞかし面白かろう。
そう云えば、或るメルマガ発行人も今回の本は面白い、と
推奨していたので読んでみたのだが、そう思わなかった。

椎名誠 『新橋烏森口青春篇』 (新潮文庫) 私の感想
http://rndocdks.web.fc2.com/doku003/doku00067.html


何ゆえ面白いと思わないのか、それはもう私には判っている。
これはひとえに、ネット社会の現代、似たような毒舌快気炎な文章は
溢れまくっているからだ。

本書では、国分寺の古本屋のおばばの厳しさや本への配慮に、
感心したり恐れたり怒ったり。

もしくは、帰り道、自転車に乗っているとお巡りさんに
職務質問されたり自転車の所有者確認をされて怒ったり。
駅に行けば駅員の態度に怒り、ラーメン屋ではビールと
ラーメンをどうやって食すか悩んだり。

これら全て、自宅に帰って原稿を書きながらネチネチクドクドと
書いているわけである。誰もが少なからず思っていた事が、
週刊誌や小冊子で活字化された頃は、読者は面白がったであろう。

しかし、今や多くの人のブログやホムペで、
当たり前のように書き散らされているネタの数々。

第二のシイナは、ネットに満ち溢れている。






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