2007年04月 第211冊
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『スピリッツ』
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「スピリッツ」ヴァーサス「ヤンマガ」
毎週月曜日といえば、「ビックコミック・スピリッツ」と「ヤング・マガジン」
の発売日であるわけだけど、最近は「スピリッツ」の方が面白くなっている。
コンビニや書店では「ヤンマガ」が棚3列に並ぶが、
「スピリッツ」は下段に1列平積みされる差別化。
購買部数も推して測れる有様だが、現状のラインナップでは、
「スピリッツ」は着実に復活してゆくだろう。
「スピリッツ」の主軸でもあり、マニアの多くの支持を集めているのが
花沢健吾の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。
「ヤンマガ」の代表が古谷実の「わにとかげぎす」だとしたら、
「スピリッツ」は花沢。
勢いや今後の展開期待感で行けば花沢が勝っているだろう。
なかなかメジャー化(ドラマ化)しにくい熱すぎる熱演が必要になる
花沢作品だが、それだけに多くの一般人の共感は得られるはず。
綺麗ごとや絵空ごとで収まらない、ミジメだったり失敗で終わってしまう
僕達のストーリーがここにはある。
その点「わにとかげぎす」は、やっぱりあんな美女があんな主人公に
べた惚れするのは、ありえない。
「スピリッツ」のもう一つの看板作品が「闇金ウシジマくん」だ。
あぶない世界のあぶない真相を描いてゆく作品だが、
「こまねずみ出世道常次郎」みたいな明るさが無く、
それだけに非常な闇の世界が描かれている。
でも、毎回読みたくなるのは私だけでは無いだろう。
そして最近始まった長尾謙一郎の「ギャラクシー銀座」。
私は長尾のファンで、長尾作品を読みたいばかりに「ヤンサン」を読んで
いたくらいだが、「ヤンサン」連載も終わり、どうしてんだろうなぁと
思っていた昨今、「スピリッツに登場、どんどん「スピリッツ」が
私好みになっている。
「ヤンマガ」では「なには友あれ」と「赤灯えれじぃ」が楽しみだが、
どちらも少しまったりしてきた。
「赤灯」は元カレが出てきて怪しい気配だが、どうせメデタシめでたしに
終わるんだろう(そうでないと許せない)。
そういった予定調和が花沢健吾では見事に裏切られるんで、
やっぱり花沢作品は凄いと思う。
※マンガを読まれない方は何の事かサッパリだった事でしょう。
謹んでマンガを読まれる事を、オススメ致します。