2007年09月 第233冊
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福田国士 『地図から消えた「東京の町」』 祥伝社文庫
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簡単に云ってしまえば町名変更です。
たしかに自分の住んでいるところが「なんとか八丁目」とかだったら、
いっそ趣のある町名にしてある方が愛着が沸く。
むかし東京のとある下町に住んでいたのですが、駅周辺がその駅名を
採って東西南北に1〜4丁目。
我が住む周辺はその駅まで結構あるのに7丁目でした。
昔は別の地名だったんだろうからその町名の方が面白いだろうに、
あの駅名に替える事で駅に近い事を錯覚させたかったのでしょう。
本書では「本両替町」「吉原」「本木材町」「山谷」「御徒町」「角筈」
「上野花園町」「谷中天王寺町」「菊坂町」「龍泉寺町」「麻布市兵衛町」
「田原町」「木挽町」「猿若町」「新和泉町」「春木町」「黒門町」
「十二社」「赤坂溜池町」「柏木」「向島須崎町」「松坂町」「三河島町」
「寺島町」「椎名町」「汐留」「宝町」「田町」「本富士町」「連雀町」
が紹介。
こうやって眺めてみると、駅名として残っている駅が多い。
「御徒町」「田原町」「赤坂溜池町」「三河島町」「椎名町」「汐留」「田町」。
西池袋の要町のブックオフから南にぶらぶら歩いて「椎名町」南口の
大型書店兼古本屋にもよく梯子したなぁ。
「椎名町」でそんな事件があったなんて、今は見る陰も無い。
いま東京で働いている人にお奨め。
昔はこんな歴史があった場所なんだ、って分かるし、
ビジネスの会話にも使える小ネタが一杯。
平成11年初版ですが、今もネットでは入手可能。