2007年09月 第235冊
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柘植久慶 『首都直下地震〈震度7〉』 文春文庫
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あっという間に読んだ。
読み始めたらキリが無く、ふんふん、なるほど。
詳細な起こりそうな小さなエピソードを散りばめ、東京各所での
様々なアクシデントがパッチワークのように綴られていく。
全7章に分けられており、地震発生から一週間後までが語られる。
決して大袈裟な展開で無いのに、それくらい起こるだろうな、
といった恐ろしい進展が続く。
章の途中で早々に焼死・圧死する人物もあるし、火災から逃げて逃げて
最終章で死んでしまうケースもある。かと思えば、慌てふためく事もなく
粛々と現実を受け入れて行動に移す人も描く。
ここまで書いていいのかなぁ、と思うくらい
地盤が弱い地域の危険性が描かれる。
東京東部は、都心に近い割には地価や家賃が安く金銭面では住みやすい。
しかしこれほどの災害に繋がる地域だったら、考えなくちゃいけないのか。
むかし総武線沿線の下町に住んでいたので、あの時に
大地震が起きていたら危なかったんだろう。
駅から近い割には家賃が手頃だった賃貸マンションは老朽化してたから、
まさにこの小説で描かれていたケースになるのかも。
ペット可物件だったんだよね。
2006年の書き下ろしなので左程情報も陳腐化しておらず、
東京に住む人は必見のサバイバル・ノベルスと云える。