2008年01月 第254冊
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岡崎昴裕 「債権回収の現場」 角川ONEテーマ21
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2002年7月初版だから新刊ではすっかり無いが、語られている
債権回収自体が更に昔の事象なんで、そこは問題が無い。
最近は消費者保護や個人情報保護の観点が強調されているので、
幾分状況も変わっているだろうが、債権回収の現場がどのようなものなのか、
非常にわかりやすい文章と構成で語られている。
クレジットカード会社の回収部門での実体験が綴られている。
我々はクレジットカードで買い物をするにしても、利用額が膨らむの恐れ、
1回払いにすることが殆んどだろう。
私自身1回払い以外、利用したことが無い。
しかし、リボ払いや分割払いを多用すると、利用金額や毎月支払額が
当然増える。
そして場合によっては、無計画性のために支払い頓挫に陥る場合も。
まさに、ご利用は計画的に。
ただし、そこはクレジット会社も商売。
払ってもらえなければ、回収できなければ何にもならない。
利用者の状況に合わせて、確実にスムーズに回収できる方策を作っていく。
多くは返済方法を緩和してでも全額回収を図るんだろうが、全然無理に
なってしまっている人もいるだろう。
突然の病気怪我による解雇・失業や、連帯保証人による債務引受などだ。
そんなの自分はしないし関係無いよ、と思いつつ、人生どこで何が
あるかは分からない。
ほんの一歩ズレ始めたことが、どんどん広がって行く事は現実によくある。
借金やその取立ての裏を知っておく事は、自戒のためにもいいと思う。
何と言っても読みやすく解かりやすい文章がいい。
少し古い内容だけど、それを差し引いても、お薦めです。
新書版サイズです。