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2008年03月 第265冊
檜山良昭  「アメリカ本土決戦」  光文社文庫

檜山良昭  「アメリカ本土決戦」  光文社文庫

小学生の頃、同著の「日本本土決戦」を大興奮で読んだクチです。
原爆によって完敗した日本でしたが、その原爆が何らかの事情で
使用不可となり戦争は長期化、米軍上陸を本土で迎え撃っていれば、
という仮想だったかな?

結局は戦争が長期化するだけで、大勢の歴史は変えられない、
というのが著者の持論のようです。

本書も同様。
ハワイ奇襲攻撃を徹底攻略して、更にハワイ上陸占領、米国本土攻撃を
仕掛けていたら戦争はどうなっていたのか。

シミュレーションは戦争中盤までが描かれますが、最期は泥沼化しそうな展開と
アメリカの底力が雄々しく猛り立ち米国国民の愛国心が発奮、
日本はどうしようもない暗雲に苛立ちを隠せない風向きで終わっています。

それでも日本軍が大活躍し、逆に日本軍が米国本土を攻撃してゆくさまは凄まじい。
さまざまな考証を重ね、出来るだけ公平に考えつつ、
それでも日本軍指揮官の判断が的確だったら、という前提のもとです。

もうあんな戦争はこりごり。
負けていようが勝っていようが、そんな不毛な空想なんて不愉快。
そんな世間の言葉が主流ですよね。
ですけど、歴史をイフするのが好きな人にとっては、面白い小説。

信長が、義元に負けていたら・・・。
三成が、家康を負かしていたら・・・。
そんな空想なら許されるのに、太平洋戦争をあれこれ
空想(もてあそぶ)する話には、まだまだ眉を顰める人が多い。
変なの、そんなの。
六十年前の命と、四百年前の命の重さは違うんだってさ。






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