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2008年04月 第267冊
東野圭吾  「殺人の門」  角川文庫

東野圭吾  「殺人の門」  角川文庫

東野圭吾って、直木賞取ったんですよね?
そんなミーハー根性と、書店でも矢鱈目につくんで、
とうとう始めて読んで見ました。

しっかし、そんなに面白いか?
東海道線各駅列車の旅で、往復十時間以上の旅で、本書約六百ページを
読んだのですが、主人公のあまりの馬鹿さかげんに呆れっぱなし。
だからコイツの人生は駄目なんだよ、いい加減学習しろよと思いっぱなし。
できるだけ著者は主人公の気持ちにたって、リアリティを出そうと
思考回路を間抜けに書いているんですけど、ここまで阿保な思慮ってのも、
そうそうあるまい。
面白くない!

歯医者の裕福な家に生まれた主人公の幼少期から物語は始まる。
離れには病床の祖母が、派手で金にうるさい母と、歯医者の腕は良い父、
祖母の介護と食事を作ってくれるお手伝いさん。
しかし祖母が亡くなったあたりから、この歯医者一家には不穏な噂が立ち昇る・・・。

一方主人公は複雑な家庭環境ながら淡々と成長してゆくが、
祖母死後の噂によって家業は零落。
両親の離婚、家業の左前、父の女遊び・・・と人性はどんどん転がる一方。
その影には絶えず、数少ない友人が・・・。

子供の頃までは、そこまで気づくのは無理やろと思う事も多いが、
苦労して大人になった後の事件の数々は、避けられることばかり。
苦労して成人した意味が、まったく役立ってない。
ボンボンはどんなに苦労してもボンボンのまま、という著者の発想が貧弱。

よくアニメで、落し穴に落ちそうな主人公を観ているみんながあーあーと
ハラハラする事があるが、ちょっと考えたらそこに落し穴があることは
判りそうなケースばかり。
しかも苦労に苦労を重ねた主人公なのに、いつまでたっても騙されてばかり。

最後の最後でギャフンと反撃を食らわすのならラストは爽快なのだが、
最期の最後もダメだこりゃ。著者は何かええとこのお坊ちゃんに
激しく嫉妬してるのでしょうか?






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