2008年06月 第279冊
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神沼遼太郎 「クラシック アホラシー」 幻冬舎
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音楽ライターによる、クラシック本音トーク。
クラシックという高貴な垣根を取り払おう、という動きが、
最近はかなり盛んだが、そもそも一体誰が
そんなものに祭り上げてしまったのか。
関西弁でクラシック界に蔓延(はびこ)る様々な
「アホ」を採り上げ、ブッタ斬ってゆく。
かなり私の感性と近く、読み易い平易な文章ということもあり、
一日で読めます。どんな話が書いてあるか、
私が面白いと思った項目を挙げてみましょう。
「クラシックなんて誰が演奏しても同じだと信じているアホ」
「演奏家はコンサートで金を稼いでいると信じているアホ」
「開演時間のアホ」
「コンサートへ行かないアホ音大生・アホ教官・アホ演奏家」
「若いくせに遅いテンポで弾かせたがるアホ演奏家」
「死んだ演奏家の話しかしないアホ」
「演奏を聴きながら指揮の真似をするアホ」
どうです?
ちょっとでも嫌な気分になったあなたは、
この本を読んでみるといいですよ。
私だって思い出しました、若き日々の自分を。
題名ほど手厳しくは無く、それでいて
しっかりと主張が通った話が続きます。
さすが、こういう骨のある本を出すのは、幻冬舎。