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2008年08月 第289冊
二ノ宮知子 「のだめカンタービレ」第21巻  講談社コミックスKISS

二ノ宮知子 「のだめカンタービレ」第21巻  講談社コミックスKISS

本作でいよいよラヴェルのピアノ協奏曲が出てきます。
千秋とルイがイイ感じで、このコンチェルトを紡ぐんですが、
この曲は私も大好き。

ルイという恋する乙女の詩情を詠わすには、
たっぷり過ぎる名曲でしょう。

当然、知っている人も多いとは思いますが、
もし、万が一、この曲を知らない人は善は急げ。
第2楽章の独白は鳥肌モノです。フランスものなんで
フランスのピアニストが推奨されそうですが、私は敢えて
戦慄的な第1・3楽章を突っ走るアルゲリッチ盤を愛聴しています。

ただし第2楽章の美しさは、誰が弾いても流石に美しい。
これほどの音楽に調べを乗せられない人なんて、
ピアニスト失格の前に、人間失格でしょう。

ですから敢えて、第1・3楽章の疾走感を
より爆走している演奏に、評価してしまう。
第1と第3の間の、信じられないほど美しい一瞬が、
より一層この曲を美しく輝かしてしまう。

さて、ルイと千秋のコンチェルトにノックアウトされたのだめ。
ここまでは少し先が読める展開だったのですが、この次に現れる
あの人とのコラボが想定外で、第21巻も最後の最後で面白くなった。
第22巻のために、永い伏線と言うべき第21巻が書かれたような形に
なるんでしょうが、なかなか面白い展開です。

さあさあ、のだめが次巻で何を弾いてくれるのか楽しみです。
KISSを呼んでいるヘビーリーダーは、もう答えが
解かってしまっているかもしれませんが、私は現時点知りません。
ラヴェルに対抗できるコンチェルトとくれば、プロコフィエフあたりと
言いたいですが、逆に王道を狙ってベトベンなのかな。
ベトベンのピアノ・ソナタが稀代の珍コンビを産み出したんですもんね。

なんだかんだと、いつまでも面白い展開が続く。
本書も是非、早々に読むべし。



P.S.(以下、ネタバレ注意!!


調べましたところ、のだめが挑戦するコンチェルトは
ショパンだそうで。
ああ、その手があったかぁ。
ラフマニノフやガーシュインはもう使ってたから、今さらベートーヴェンや
シューマンはあるまい、と思ってましたが、ショパンと言う大本命があったか・・・。

そう考えると、チャイコフスキーやブラームスだって温存してるわけだから、
プロコの5つのコンチェルトが登場するのは、
「のだめ」第100巻記念(のだめ80歳ラスト・コンサート)で登場するのかな。
どうせなら、千秋と結婚、出産、離婚など波乱万丈にして、
息子や孫も音楽家に育ってゆくという大長編漫画にしていって欲しいな。

でも、著者の執筆活動には不穏不安な話が出てますよね。
どうなるんだろなぁ。






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