2008年11月 第303冊
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岡崎武志 「古本でお散歩」 ちくま文庫
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ちくま文庫で数冊、ポプラ文庫では角田光代と共著で出して注目した
古本マニアの岡崎武志をようやく読んだ。この本も買ったのは4〜5年前で、
古本好きな私としては早く読みたい一冊だったのだが、何分ツン読本が
膨大になりようやく本書の出番となった。
本書にて岡崎氏の文章は初めて読んだのだが、
彼の「古本」絡みの内容にココロ惹かれて、
岡崎氏の文体が好みに合うのかどうか見極めもせず、
既に彼の書著は4冊ほど買ってしまってあった。
読んでみて。
ネット感想などで、彼の言い様は少し好みが分かれるところだよ、なんて
書いてあったのだが、確かにそうだなと思う。
そして、私も残念ながら、好みには沿わない。
古本に対する愛情説明が、少し大袈裟すぎる?
自分と古本の関係を、ことさら大仰に採り上げすぎてる?
古本を愛し、古本世界を浮遊している読書人は多い。
しかし多くの古本好きは飄々と生きていたいし、自分の古本との関係も
別に自然で当然な事で、ことさら大仰に描くべきではないのではないか。
それを商売として書かねばならない著者の立場を斟酌してみても、いな
斟酌すれば余計、この人と自分は合わないな、と思ってしまう。
さて、著書は本がまだ3冊ほど買ってある。
彼だって成長する人間、執筆時期が進めば文体や思考も変わっていく
かもしれない。
面白いと思うかもしれない。
古本について書かれている書物はまだまだ少ないので、
仕方なく読んでゆくと思う。