2009年06月 第329冊
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かきふらい 「けいおん!」 芳文社まんがタイムKRコミックス
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植田まさしの「おとぼけ課長」や田中しょう「あさかぜ君」などで
永らく親しまれてきた芳文社が、随分変わってしまっていた。
大きな書店では「4コマまんが」雑誌が十種類以上は
ズラリと並んでおり、主人公はかわいい女子達ばかり。
完全に読者層が変わってしまっている。
小さい頃の夢が漫画家だったうちの隊長は、その流れで、アニメも好きで、
時々アニメをHDDに録画してチェックしているのですが、この「けいおん」は
音楽も絡んでて面白いよ、と云うので読み始めた。
私は音楽が大好きで、「BECK」でロックバンド漫画を堪能したクチですが、
4コマ漫画も大好き。佐藤ゆうこや南ひろこは昔から大好きで、
未だにブレイクしないのが歯痒いくらい。
しかしこの「けいおん」、ガチガチに音楽に没頭してゆく少女たちを
描くのでなく、まったりと女子高の軽音楽部で遊んでいる姿を
ほのぼのと描き続ける。
それだけで面白いの?と思ってしまうのに、
読んでみるとたんたんと読んでいってしまう不思議な魅力がある。
実際、文化祭や新歓でライヴ演奏するにはそこそこの
練習が必要だが、そういった水面下での汗と涙は大幅カット。
部室でお茶したり、だべったり、等身大の女子高生のフツウの姿がほっこりする。
4コマ漫画でいながら、関連性と連続性がある。
学年も変わるし(現在は3年生)、話の流れも自然でスピーディー。
この調子でいけばあと1年ほどで終わってしまうが、何だか勿体無い。
いつまで経っても2年生、といったずるいワザを使えば良かったのに。