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2009年09月 第343冊
河原和音  「青空エール」(2)   集英社マーガレットコミックス

河原和音  「青空エール」(2)  集英社マーガレットコミックス

吹奏楽は行事がいっぱい。
コンクールや定期演奏会、運動系のブラバンや運動会の応援演奏。
運動系部活とかなり違うところは、1年生でも出番が多いこと。

運動系はレギュラー、補欠、ベンチ入りと段階があって、
そのどれにも入れないと試合どころか存在意義さへない。
玉拾いだとか応援も大事だって仰る体育会系はいらっしゃいますが、
選手として試合に出たいから部活をやってるんであって、
玉拾いとか応援したくて部活に入る人っていないと思うんだよね。

さてさて、本書「青春エール」。
表紙がダサイ。
本書ヒーローの大介くんが表紙一杯に満面の笑みです。
この調子だと、十巻くらいで脇役の城戸(めがね男子)も表紙を笑顔で飾るのかな?

主人公の小野つばさも山田大介も実にイイコちゃん。
そんな今どき「ありえない」二人をカバーしてくれるのが脇役たちであって、
特に大介くんの友人城戸がいい味出してます。
高校生の本音がモロに出ていて、こういう奴こそ終盤までには
幸せになって欲しいなぁとおもいます。

トランペットの基礎に四苦八苦だったつばさも、ようやく周りが見え出します。

ブラスそのものの雰囲気も分かってくると、気が付けば
仲の良い子が一人もいないと云う事態に。
教室ではひまりちゃんというしっかりした友人や大介くんが構ってくれるから
良かったけど、初心者で少し送れて入部したつばさには友人も立ち位置も
無いことが分かってきます。

そんなおり、部活で合宿があって、この合宿でこそ友人を作ろうとします。

つばさが困ったり悩んだり落ち込んだりした時、必ず現われるのが大介くん。
大きくて爽やかで暖かいからこそ、大介くんの励ましは翼の心に染み込みます。

冷静に二人の動きを考えてみると、大介くんはストーカーなんじゃないか?
と疑ってしまいますが、悩める乙女には大介くんみたいな包み込むような
優しさに、キュゥンとくるのでしょう。

第2巻では大介もつばさも自分自身の気持ちに気付いていないように描かれています。

しかし、まだまだ子供な大介が、無償でこれ程つばさの応援をする、
というのが腑に落ちない。偶然の連続だとか、特別な友人だからとか、
そんな御託はききたくありません。

大介はきっと、つばさのことが心配で心配で、かわゆくってしょうがないのでしょう。
たしかにつばさは実に可愛らしく描かれています。
裏表なく、アップアップの状態で必死に部活に取り組んでいる女の子、
という状態が実に良く描かれています。

後半ではいよいよ定期演奏会。
1年生でもつばさはペッターの一人として出演できます。
さぁここからがビックリな展開。
さすがにこんな経験はありませんが、内気な初心者を経験した女の子だったら、
多少なりとも似たような経験をしてしまった娘はいるんでしょうね。

私の初舞台は、手ぐすね引いて出場してやったという状態だったので、
音が多少はずれていようとリズムが変だろうとガンガン弾いていました。
よく音が(全体から)大きすぎると注意されて、反発してました
(楽器はヴィオラです)。

現在第3巻まで出ていますが、まずは大介くんとの行方。
1年ペット同士の水島のキツーイ忠告も、愛情の裏返し伏線とも読み取れる。
男子は、好きな女子に対してほど厳しくなるケースがありますから。

脇役の城戸(めがね)とひまり(クラスの友人)の仲も深まって欲しい。
学年が上がったら強烈な新キャラなんかも考えられそうだし、
この作品はじっくりネッチリ描き上げていって欲しいです。






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