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2009年10月 第350冊
北尾トロ  「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」   文春文庫

北尾トロ  「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」  文春文庫

今頃この本読んでるの?と思うことなかれ。
ブックオフのどの店でも見かける、めちゃくちゃ売れてる本書。
買ったのは数年前なのですが、我が家のストック本が多すぎて、
本書を読む番がようやく廻ってきた。
北尾さんは十年ほど昔、彼が主催したブックカフェで本人を見ました。
うわぁー、本人だぁ。話したいけど、話しかけられない!!

メルマガ初心者だった頃、北尾さんの毎日メルマガを読んでいたのが懐かしい。

あの、一介のライターだった人が、今じゃ何冊も文庫本まで出す人気作家。
自分が応援していた市井のライターが出世したのは嬉しい。
こうなればメルマガ「WRITER’S NOTE」を書いてる竹cha!さんも
メジャーになって欲しい。この人もライターでして、まぐまぐでメルマガ配信中。
面白い辛口エッセイ系です。


北尾さんの本は「怪しいお仕事!」「危ないお仕事!」(新潮文庫)と
いった体当たりルポや、「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」(幻冬舎文庫)
といった罰ゲーム的体験本を読んできたが、メルマガでは裁判傍聴ネタについて
しょっちゅう書いてたんだよね。
毎日毎日、裁判傍聴に行った件がメルマガにちょろりと書かれていたが、
こうやってしっかり文庫本に成ろうとは、あの頃思ってなかった。
こうやって纏まった分量を読んでみると面白いな。

東京に住む著者が、ひたすら東京地裁や簡裁に通い傍聴しまくる、という内容。
その裁判というのは、殺人から傷害、窃盗、詐欺など多岐に亘る。
それを一日の内で何件も傍聴梯子してゆくわけ。
中にはヤクザの親分の傍聴に行ってビビリまくったり、普通の善良な一般市民が
ちょっとした不注意のため交通事故を起こしてしまった悲惨な交通事故裁判など、
それはもう様々な裁判を傍聴しまくるのだ。

どんな世界もマニアというのは存在していて、裁判傍聴マニアというのがいるんですね。

著者はそんなマニアにもお近づきになろうとする件(くだり)が面白い。
多くは喫煙コーナーで自然に話しかけてゆくんですが、
被害者の家族なんかとも話したりして、ドラマを垣間見るんですね。
そんなことまで書いていいの?と思うのが北尾さんの特徴。
続編「裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 」(文春文庫)も
出たんですけど、早速購入しました。






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