2010年09月 第411冊
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吉田俊雄 「造艦テクノロジーの戦い」 光人社NF文庫
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副題「科学技術の頂点に立った連合艦隊軍艦物語」
副題にもあるように、造艦テクノロジーを意識して軍艦19艦の物語を
書いているが、あくまで艦歴や戦歴を中心に書かれている。
いっそそれなら、軍艦物語(戦艦編)とか(空母編)とかにまとめた方が
分かりやすいのだが、戦艦から潜水艦まで一冊内でバリエィションを
広げたほうが物語としては起伏に富んで良い。
(戦艦編)とか(空母編)なら本も売れるが、地味な艦種だと売上が
グっと落ちることも想像がつくのだろう。
採り上げられた軍艦は以下のとおり。
戦艦「大和」「比叡」「霧島」
航空戦艦「伊勢」「日向」
空母「瑞鶴」「飛龍」
重巡「妙高」「愛宕」「利根」
水雷艇「友鶴」
駆逐艦「島風」
潜水艦「伊168」
歴史的戦艦「三笠」「出雲」「八雲」「磐手」「浅間」
著者吉田俊雄氏は単なるライターでなく、実際数々の軍艦に
乗り込んだ海軍軍人。
終戦時は中佐、大本営海軍参謀であった、
この業界では有名な戦記モノ作家。
それゆえに、実際に多くの軍艦をその目で見たり乗ったり
話を聞いていたりと、まさに生き証人。
惜しむらくは、少し自慢っぽく話が聞こえてしまうこと。
私の僻み根性が強いからなんですが。
だけど、こんだけ裏話を知ってりゃ、誰もが読まずに通れまい。