2010年10月 第413冊
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佐治芳彦 「太平洋戦争の謎 」 日文新書
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太平洋戦争になぜ日本は負けたのか?
そもそもアメリカとがっぷり四つに組んだこと自体、無謀でしょ。
軍部(特に陸軍)の暴走?
中国大陸の戦線拡大だけでも破綻しかかってた。
石油を初めとした資源なしが痛い・・・。
大体の敗因は、みなさんご存知だと思う。
本書ではそんな基礎知識は勿論の事、
もう少し突っ込んだ真相に迫ってゆくわけ。
序章では黒船来航以来のアメリカとの因縁を解説。
第1章、開戦前の舞台裏での駆け引き。
第2章、真珠湾からミッドウェーまでの情報不足
第3章、ガダルカナルからあ号作戦までで海軍上層部の混乱と失態。
第4章、特攻や本土決戦といった地獄絵図
第5章、敗因について様々な角度から再検証。
終章、太平洋戦争における史観や疑問。
全部で84のトピックスに分割され、非常に読みやすく、
また真相真理や流れがよく分かる。
局地戦での戦術論や指揮そのものについてから、
大局的な外交政治まで幅広く検証されていて、
これ一冊で大体の事情はつかめる。
もちろん、そこそこの基礎知識があってこそ理解が
深まる本とも言えるが、そもそもこういった本を読もうと思う人は、
それまでにもそこそこ読んでるのが一般だから、これでいいと思う。
1985年日本文芸社刊「太平洋戦争の謎 」の新書判化にあたり、
再編集したもの。