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2011年2月 第440冊
中坊公平  「中坊公平・私の事件簿」  集英社新書

中坊公平  「中坊公平・私の事件簿」  集英社新書

本に書かれてある事そのものは、とても感動した。
弁護士の心構え、彼の功績は大変立派に読めた。
ただし、著者は名うての辣腕(元)弁護士。
その説得力は多大であり、ナナメから読んで丁度いいのかもしれない。

その根拠は、彼の若き日々と現在。
彼は弁護士の子供であり、戦前の貧富の差が激しい頃、
関西一のおぼっちゃま学校同志社の出身。

京大に進み、数回の不合格を乗り越えて司法試験に合格するが、
親のスネを齧って放蕩無頼の青春時代を送っている。
著者の良いところは、そういった遊び人時代を隠さず、
どのようにして立ち直ったかと自慢話に持ってゆく流れが
微笑ましく、恐るべき話術だ。

本書最大の読みどころは「森永ヒ素ミルク中毒事件」。
この事件に携わった事によって、彼の人生も仕事に
対する姿勢も変わったのだろう。

この章は正直、読み進むにつれ目頭が熱くなった。
読み物として優れ、グイグイ引き込まれてアッという間に読み終えた。

そんな名弁護士、今もお元気なのかな?
大好きなウィキペディアでチェックしてみた。
住宅金融債権管理機構の回収方法で問題がこじれ、
弁護士業を廃業しているそうだ。

もう八十歳代になっているようだ。
彼は今、実家の家業「聖護院御殿荘」という京都の老舗旅館を
経営しているようだ。

HPでどんな老舗旅館かと拝見したら、まあ立派。
宿泊費がリーズナブルなのは交通の便が若干弱いからだろうが、
立派なお宿ですよ。

京都に行く事は今後もあるだろうから、一度は利用してみたい。






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