2011年4月 第443冊
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平岩弓枝 「御宿かわせみ」11 文春文庫
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年1〜2巻ペースで読んでいる「かわせみ」シリーズ。
初期は詰まらなくてどうしようかと思ってたが、
最近は面白くなり始めていた。
ところがこの第11巻、また詰まらなくなっている。
何が面白くなくしてしまっているのか、考えてみた。
女性が書き、女性から見ると憧れる主人公なのが、神林東吾。
与力の跡取りとして何不自由しない毎日、強いて言えば兄が
生きている限り御家を継げず、勇気と実力がありながら無職応援の日々。
裕福な上級旗本の跡取り、女房同然の恋人は格式ある宿屋の女主人。
お金に困る描写は、まず出てこない。
何気ない日常から始まり、ちょっとした事件が起こる。
東吾はいつも端緒に気を留め、その心掛けが
事件解決の糸口に繋がって行く。
もう、出来過ぎてるんですね、東吾は。
こんな才能溢れすぎたイイ男が、なかなか恋人と晴れて夫婦になれない。
ただそれだけが、と言っても恵まれすぎた人生にとっては
かなり不満なのだろうが、彼の人生を快晴にはしてくれない。
もう少し、人生にはいい時もあれば、悪い時もあるストーリーに
出来ないものか。一回限りの登場人物はすぐ殺されたり、
人生滅茶苦茶になっているのに、東吾は事件を解決して
恋人といちゃいちゃしてジ・エンド。
次の巻こそ、東吾に不幸がっ!と期待して読んでます。