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2011年4月 第444冊
和田昌親  「ブラジルの流儀」  中公新書

和田昌親  「ブラジルの流儀」  中公新書

日経新聞の偉いさんだった人(現在は日経HR社長)による、
ブラジルが解かる新書。
2011年2月初版なので、まだまだ新しい。

全体を五部に分け、更に細かいトピックス
(全63話と4コラム)にしたのは、さすが。

しかし、新聞記者だったわりには、文章があまり面白くない。
大学教授がこういうのを書くと硬すぎて小難しすぎるんだけど、
格調がある。

この著者は文体は柔らかいけど、興味を惹きつける文章がない。
新聞記事は週刊誌などと違って、見出しより中身で勝負だったろうから、
文体に磨きも掛からなかったんだろう。

ブラジルを5つの面より考察している。
「社会・生活」「経済・産業」「文化・歴史」「サッカー・スポーツ」
「政治・外交」柔らかい「社会・生活」面から話は始まるが、これが
興味を惹き立てない。

珍しく新刊本を買ったのに、失敗したかなと思いきや、
「経済・産業」以降は面白い。
さすが日経。
「文化・歴史」も薀蓄に富み、歴史好きもなかなか楽しめる。

しかし「サッカー・スポーツ」になると、ガラっと変わる。
これが同じ著者によるものか?と思ったら、案の定、
この編だけ別の人(武智幸徳)が書いていた。

サッカーに対する思いが熱すぎて重いんだが、溢れる思いが
伝わってくるし、微笑ましい。

何よりこの本の主役著者和田さんより全然次元が違っていて、
武智幸徳が全編書いた方が面白くなったのではないか?
多分、多くの人が和田氏と武智氏が違いすぎて、
和田さんに哀れみを感じる事だろう。

それでも偉くなれたんだから、会社ってとこは総合力なんだろう。

本の中身に戻ろう。
2011年2月初版だけあって、データはほぼ最新。
ブラジルが苦心してきたこと、得意なこと、日系が多いこと。

「ブラジルの流儀」という題名の「流儀」が、今一よく掴めなかったが、
日本より余程未来のある国である事は、ほんっと、よく解かった。






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