2011年5月 第448冊
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ネイハム 「シャドー81」 新潮文庫
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たしかに、まぁ、面白かった。
海外モノは読みづらい翻訳が多いが、本書はその点問題ない。
439ページと長く感じたが、まぁ面白かった。
ベトナム戦争も終盤に差し掛かった頃、
アメリカ空軍の最新鋭戦闘爆撃機が戦闘中行方不明となる。
一方、中国の船会社に謎の紳士が現れる。
飛行機を一機まるまる輸送できるような箱舟を注文し、
その船はタンカーのような形状。
クレーンを付けろ、小型モーターボートも付けろと細々とした指示。
頭の切れる船会社社長は変な客だなと思いつつ、商売を最優先し、
あえて深く考えないようにする。
話は飛んで、久々に帰宅した空将は夫婦喧嘩。
喧嘩のあげく家を飛び出し、ホテルへと。
空将はアリバイ作ってんだな・・・でも、
それとハイジャックがどう関係すんの?
こういった脈絡がつかめない話をパラパラと提示するのは
良くある手で、どうせ関連性のないような話が中盤から
絡まって来るんでしょ。グフフ・・・と読んでしまう。
バラバラなようでいて、深い繋がりに絡んでゆく。
いな、AとBが繋がっていると思わせておいて、実は
AとCが繋がっていくというのが面白いが、
本書はテンポ良く進める必要もあるので無駄流れはナッシンッ!
逆に、ハイジャックをいかに成功させてゆくかを
ワクワク読ませる事を第一としている。
最期の最後まで、大金を無事奪い通せるのか?
ハイジャック終了後、仲間割れするのかも面白く、
その後日譚もなかなか読ませた。