2011年8月 第461冊
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小林信彦 「イエスタディ・ワンス・モア」 新潮文庫
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みなさ〜ん、グリムウッド「リプレイ」は読みましたか?
アレを読んで早速次に読んだのが、本書「イエスタディ・ワンス・モア」。
う〜ん、こういうタイム・ワープもの、大好きやわ。
本書は東京1989年から1959年へのタイムワープ。
ただし主人公は89年時点で二未満の若者ですから、
三十年前にワープしたら存在体そのものがない。
よって、89年の肉体ごと59年にワープします。
グリムウッドはギャンブルで財を築きますが、
小林は放送作家として一世を風靡します。
そりゃ以後三十年のテレビCMやギャグやドラマを知っているものが、
いち早く時代の先端を提示していけば上手く行きます。
主人公は一躍人気作家となり・・・さてどうなるか?
本書も日本版リプレイという感じで、59年以降の東京描写が
行き届いてるし、三十年前にワープしたら現代の紙幣は使えないし、
住む場所もない。
自分の父となる予定の人物に会いに行ってトラブったり、
世話になった叔母さんの謎の恋人がどう絡んでくるのか、
2011年に読んでも全く面白いです。
本書は「パート2」も書かれてまして、当然買いました。
次作ではビートルズ日本来日がキーポイントなようで、
著者の妄想が爆走しそうで、楽しみです。