2011年9月 第462冊
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志摩園子 「物語バルト三国の歴史」 中公新書
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中公新書の「物語〜世界各国〜の歴史」シリーズ。
今回は「バルト三国」を読みました。
何度も地図を見直して三国の位置を再確認したんですが、
北から「エストニア」「ラトヴィア」「リトアニア」順に並んでいます。
あいうえお順に「エ」「ラ」「リ」と並んでいると覚えれば簡単です。
三国じゃなく、なぜ一国だけの歴史じゃないの?
と思ったのですが、読めば良く判ります。
この三国は、分け難き国家歴史を共有してるんですね。
ラトヴィアだけを述べようと思っても、他の二国や
ロシア・ポーランドが絶えず絡んでくるのです。
この中でも目を引いたのが、リトアニア。
リトアニアは、15世紀にはバルト海から
黒海までの大領土を構築していたんです。
しかも現代ポーランドの倍以上の国土で、
その後リトアニア大公ヨガイラがポーランド女王ヤドヴィガと結婚し
国家合同が形成されます。難しい舵取りをこなせていれば、
中欧最強の国家となっていくチャンスがあったのです。
しかし三国には多くの言語がまたがっており、
ドイツ人やロシア人の入植や貿易商人で混在しています。
言語や宗教、人種などで国家が形成されていった昔は、
なかなか一つに纏まり難かったのでしょう。
長らくの混迷の果て、ようやくバルト三国として落ち着いてきました。
三国が協力して国家隆盛を目指せば、面白い歴史が開けそうな準備が
出来ています。