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2011年9月 第473冊
桐野作人  「逆転!戦国大合戦」  徳間文庫

桐野作人  「逆転!戦国大合戦」  徳間文庫

子供騙しな題名だが、結構まじめに書かれたイフ戦国合戦記。
234ページに5編の主要合戦がイフで書かれ、コンパクトかつ
夢想少なく書かれている。

・風雲関ヶ原 西軍奇跡の逆転勝利
・武田信玄、怒涛の天下取り
・上杉謙信、乾坤一擲の大決戦
・山崎の天下争奪戦
・真田幸村の赤備え、徳川軍を打ち砕く

関ヶ原、信玄、謙信、光秀、幸村と戦国ファン一度は夢見る逆転劇。
どれもこれも、あと一歩の勇気やチャンス、石田三成や明智光秀なら
人望があれば、十分逆転の可能性があった話しばかり。

最終的に彼らは目的を達しなかった現代から見るから、どうしてもう少し
頑張らないの?と思ってしまうが、当時の彼らはこれが一杯一杯だったのであって、
滅亡してしまう結末を知っていれば土壇場まで用意周到を怠らなかったであろう。

返す返すも残念なのは関ヶ原で、毛利家が大幅減俸(120万石→36万石)に
なるのがわかっていれば吉川広家も西軍主力として動いただろうし、
石田三成も負けると分っていたらへり下って西軍諸将に細やかな気遣いや
接し方をしていただろう。

豊家滅亡まぢかな大阪の陣、唯一華々しい活躍が真田幸村だ。
実際彼の最後の突撃は家康本陣に迫り、少し家康を寒からしめたという。

これを後一歩進め、浪人大将結束して時機を見計らって
最後の決戦に持ち込んでいたら、を描く。

本書シミュレーションのようにかなりの戦果が起こりえていたろう。
短編ならではのコンパクトさが読みやすく、なかなか楽しめた。






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