2011年12月 第490冊
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歴史マガジン文庫 「蒼空の残像」 ワニ文庫
ワニ文庫には、歴史マガジン文庫というジャンルがあって、
三十冊前後が刊行されていた。
更にその中、「バーチャル戦史」というシリーズがあり、
これが私のお好みだ。
大別して戦国期とＷＷ２期に分かれており、私はＷＷ２期の方に着目。
アマゾンで確認できただけで「回天の烈風」「闘将の戦旗」「虚像の兵団」
「秋風の戦場」「魔獣の銃弾」「旭日の選択」「蒼空の残像」「旭日の残光」
と８冊ある。
先日「旭日の選択」を入手できたので、残るは「闘将の戦旗」だけだ。
今回読んだ「蒼空の残像」はこんな内容。
荒巻義雄 「すてられなかった大鑑巨砲」
多賀一史 「空母機動部隊の誕生」
清谷しんいち 「航空立国をめざした男たち」
川又千秋 「激突！太平洋の翼たち」
雨倉孝之 「隼の知られざる軽チェーメカ」
碇義朗 「米国を震撼させた百式司令部偵察機」
碇義朗 「世界一の傑作機二式大艇」
碇義朗 「おそすぎた零式二世紫電改」
渡辺洋二 「空の要塞Ｂ29をカモにする夜間戦闘機月光」
渡辺洋二 「ダグラスDC４のパクリ長距離爆撃機深山」
鳴海章 「二次元から三次元の戦闘空間」
大石英司 「帝都を防空する超新鋭機」
檜山良昭 「日本空軍誕生せず」
志茂田景樹 「海底空母パナマ運河攻略戦」
佐藤大輔 「ソロモン海戦の敗北」
古川愛哲 「隠れた航空戦、東宝砧撮影所VSﾊﾘｳｯﾄﾞ・ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ撮影所」
中村整史朗「世界一周ﾆｯﾎﾟﾝ号に秘められた軍部の野望」
「日米エースパイロット列伝」
歴史雑誌を文庫で出しちゃいました、てのが「歴史マガジン文庫」。
バラエティに富んだ作家陣。
興味を引く題材、ただし中身はピンキリ。
限られたページ数に、盛り込もうとしてるので、
無駄なページ稼ぎが出来ないのが、いい。
異例中の異例な文章が、大石英司の前置き。
彼は歴史シュミレーションに批判的で、
戦国時代なら読み物として楽しめても、
あの悲惨な十五年戦争で、あたかも勝利すべき道筋が
あったかのように書くなんて！！！
と、断腸の想いで仕事を断れなかった事情が綴られている。
よほど断れない事情があったようで、彼のポリシーを侵害する弁護のため、
異例な前置きが読み応えたっぷりと堪能できる。
