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2011年12月 第491冊
豊中康次  「大中央線主義」  情報センター出版

豊中康次  「大中央線主義」  情報センター出版

ブックオフ都内店舗では、チラホラ見かけるので、
興味を持った人は探して読んで欲しい。面白い。

2000年初版の本だから、もう11年前、著者の豊中康次は
今どこで何をしてるのやら。ネット検索すると、
2003年杉並区議選の落選者で、同姓同名が出て来る。

今、彼はどこで何をしているのか。
今なら、ネットで赤裸々に語られるレベルを、
十年前の出版界では、アレルギーが強過ぎたのか。

JR中央線、関東に住んでみないと、こればっかしは実感しづらいが、
東京で最も面白い街が連なっている路線が中央線。

厳密の中央本線は、東京−塩尻−名古屋間であるが、
本書中央線では、新宿−高尾間としている。
実際、東京人の中央線は、東京ー八王子間と言ったところだろう。

東京から新宿間は、山手線内ということもあるから、
中野−八王子間が、中央線沿線ってイメージ。

私も、ギリギリ中央線沿線住民だったと言い張れる時期があり、
吉祥寺や荻窪、もしくは立川や三鷹でよく遊んだ。

沿線は、古本屋あり旨い飯屋あり、居酒屋からパチンコ屋まで
雑多なお店がゴマンとある。

それを著者の公正な目で紹介しようという試み。

まさに現代のブログ感覚で書かれており、
出版業界のしがらみで、紹介せざるをえない店なんかは
敢えてぶった斬り、紹介したくてもしにくかった店を
採り上げるなど、痛快な記事が多い。

現代では当たり前だが、たった十年前、
「本、雑誌」中心社会で、これをやっていたのが凄い。

それだけに、出版界のメジャーとは対立していたようで、
こういう面白い人が、現在まで活躍していないのは惜しい限りだ。

十年前のガイド本だが、多くの紹介店が今も頑張っているので、
なかなか参考になる。

ああ、あの店はよく行ったな、とか、今も残ってるのかな?
今度行ってみようか、と懐かしく楽しく読めた。






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