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2012年07月 第531冊
檜山良昭 「ヒトラーの奇襲」 講談社
檜山良昭 「ヒトラーの奇襲」 講談社

いま、全作品読破を目指している作家が6人いる。
南條範夫、海音寺潮五郎、三野正洋、東直己、黒川博行。
そして、今回の檜山良昭だ。

以前は、宮部みゆきと山田風太郎も入れてたのだが、
情熱が薄らいできて、収集も止めている。最近、久々に
宮部みゆきを読んだが、東や黒川の方が自分に合っている。

さて、そんなお気に入りの作家、檜山良昭だが、
今は、実質隠遁生活に入っているように伺える。

ネット検索すると、2009年までネット上で随筆を書いておられたようだが、
現在の活動内容は窺い知れない。

お元気なら今年69歳だから、まだまだ新作を発表してもらいたいのだが、
新著も、2006年でストップしているようだ。

そうは言っても、著作は膨大にあり、ウィキで見ただけでも九十冊前後
あるようだ(シリーズものを、どう数えるかが不明だったので、ぼやかした)。
あと十冊くらい未入手なので、探し続けたい。

本書副題は、暗号名は「バルバロッサ」。
第二次世界大戦の英国本土攻撃に、暗雲が垂れ込め、
クリミア半島では、ソ連が無理難題を押し通そうとする。

英国攻撃で専念しつづけるか、石油地帯を安泰にすべく、
ソ連を半年で一気に叩き伏せるか。

ヒトラーが悩んでいる中、厳しい戦況を正直に報告する部下と、
甘い状況判断と威勢のいい精神論で近づく佞臣。

バルバロッサ作戦の前段階から、その失敗が
決定的となる冬までが、詳細に描かれている。

信賞必罰が激しかったヒトラーですが、必罰を恐れた部下たちが
戦況を曲げに曲げて報告し、どうにもならなくなって助けを呼んでいる部下に
精神論と昇進で押し通そうとする上司(ヒトラー)だったり。

現代社会でもよく見られる、組織の縮図そのものでした。

独裁者だったからこそ、電撃作戦準備ができたわけだけど、
独裁者なればこそ、起こってしまう弊害もよく解りました。






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