2013年2月 第560冊
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松本清張 「点と線」 新潮文庫
言わずと知れた、松本清張の代表作。
「点と線」といえば、時刻表ミステリーの原点のように語られますが、
私は今頃、本作を初読みしました。
毎日、本を読んでいますが、まったく名作の多くを読んでいません。
新幹線が、まだ開通していなかった時代です。
官僚と料亭女中が、九州で心中します。
二人が、特急で東京駅を出立するところを、
偶然女中仲間と、客の社長が見かけます。
一方、客の社長は心中当時、北海道へ出張していたことが判り、
アリバイありとなります。
ここで即、思ったことは、列車や船が駄目でも、あれはどうなの?
陸海ダメでも、空があるのでは?
今から五十年近く昔なら、トリックとして成り立つんでしょうけど、
列車より飛行機を使いこなす現代では、お話にならないストーリーでした。
ただ、この列車に乗っていたら、この時間にここまで帰って来れない
という時刻表ゲームは、発表当時は斬新だったのでしょう。
ここから時刻表を活用したトリックが、どんどん生まれて行ったのだな、
と原典を読むことはいいでしょう。
少しづつ、各分野の古典も読んで行きたい。
ちなみに、クリスティとかドストエフスキーとか、全く読んでないです。