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2013年3月 第566冊
夏目漱石 「三四郎」 新潮文庫
夏目漱石 「三四郎」 新潮文庫

青春の学生時代、漱石の「こころ」を読んで、非常に感動した。
人間の「こころ」を如実に描き込んでいて、心理描写とは
こういうものかと感動した。

司馬遼太郎の「関ヶ原」「城塞」と並んで、
今でも、心理描写抜群の名作だと思っている。

アマゾンの評点は、なかなか面白いのでよく見るが、
本書「三四郎」は71レビューあり、星4&5は66人。
星1と2は、各一人しかいない。

あまり本を読まない人ほど、本書を評価していないように見えたが、
実は彼らこそ、正直に鋭く本心で書いている。

私は子供の頃から本の虫を自負してますが、この「三四郎」を
再読しましたが、大した作品ではないと判断します。

田舎から東大に進学し、下宿生活には先輩友人や彼らの妹や女友達が。
初めてのおのぼりさんには、都会の誘惑がいっぱい。

それは明治でも同じ、特に都会の婦女子にとって
田舎青年は、お手玉みたいなもの。

今で言う青春小説として読めば、他愛ないのかもしれませんが、
当時は、小学校卒で働く人がほとんどだった時代。

田舎の名主庄屋クラスの富家で産まれ、頭もよくて
トントン拍子で進学、挙句の果ては東大進学お勉強。

そんな田舎のお坊ちゃまが上京し、
大学の先輩や同輩と、東京各所を巡ったり。

そして、若い主人公が結局納まる方向は、
ワンパターンのドキドキ&ラブストーリー?
そんな程度の作品です。

それ以上の深いものを見出す暇があるなら、
他の名作をもっと多く読んだ方がいい。

漱石には名作が多いけれど、本書はただの明治青春ジュブナイル。







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