2013年4月 第572冊
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碇義朗 「戦闘機入門」 光人社NF文庫
中高生のころまで、航空機が大好きだった。
授業中にはノートの端っこに飛行機のデザインをよく書いた。
しかし現実を知ってゆく。
日本国産の飛行機開発は微々たる状況で、航空工学を教える大学も少ない。
あっても超名門大学だし、そこを卒業しても飛行機で喰ってゆくのは至難の業。
嗚呼、懐かしき「航空ファン」を毎月購読していたが、
大学進学とともに買うのをやめた。
そうは言っても、未だに飛行機の話、本を読むのはいとをかし。
特に本書は「戦闘機」に特化しているだけあって、
よくある「飛行機の仕組」程度ではなく、戦闘機ならではの
面白話が延々と続く。
しかも戦後のジェット機についての考察にも紙幅を取ってあり、
プロペラ機だけでないのが大きな特徴。
80話からなり、各話数ページという読みやすさ。
それでいて一話一話が充実していて、読み応えたっぷり。
特に面白かったのは、前から疑問に思っていた機体の命名法。
零戦は皇紀2600年のゼロゼロを取ってゼロ戦だし、一式は2601年。
それくらいなら知っていたが、米国のF4FとF4Uは
兄弟機にしちゃ変だぞ?とは思っていたが・・・。
またF111とかまで進んでいたのに、なぜF4ファントム
といった一桁に戻ったのか。
F4の次はF14トムキャットが有名だが、途中F5とかF7とか
あったくらいは知っているが、欠番同様の機体もあるのはなぜ?
そんな前から気になっていた事が次から次へと語られるもんだから、
実にありがたかったし、自分好みでもあった。