2013年4月 第573冊
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宮部みゆき 「パーフェクト・ブルー」 創元推理文庫
著者の最初に出版された長編デビュー作。
宮部みゆきの本を、5年前まではほとんど購入して未読本として格納してあり、
最初から読もうと思って、本書から手をつけた。
しかし、どうせなら名作と言われているものを読むべきだった。
デビュー作と斟酌すれば技量は高いが、様々なミステリを
読んでいる中の一冊としては全然駄目だった。
これに懲りず、買い溜めた宮部本を読み進めてはいかなくちゃ。
高校球児が焼身自殺を遂げる。
家族経営の探偵事務所が事件解明に動き、
製薬会社の陰謀が明るみになってゆく。
シリアスで暗すぎる薬害事件を、元警察犬目線で
進めてゆくユーモラスさで新機軸を打ち出している。
ミステリとして凝ろうとしているのだが、自分は
ハードボイルドの方が好きで、ほんわかした人達が
危機を乗り越えていくのに違和感がある。
そんな甘ちゃんだと、現実では返り討ちに遭うだろう。