2013年5月 第580冊
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養老孟司 「ミステリー中毒」 双葉文庫
「バカの壁」が、大ベストセラーになった教授だが、
あの本は、高飛車な観方が気に喰わなかった。
それで、養老教授の本は買わなかったんだが、
本書はミステリー感想本。
こういった感想本が私は大好きで、著者に限らず買い込んである。
自分の嗅覚だけでは見つけられない、気付かないことは意外に多い。
特にミステリは最近になって近づいた新参者なので、
詳しい人の感想はありがたい。
まず教授曰く、読んだ本の内容はどんどん忘れてしまう。
この点が多いに気に入った。
私もそうで、昔読んだ本を再読した場合、
ちょっと読み始めたら、気づくのが普通。
ところが私は、最後まで読んだ挙句、感想まで書いて
HPにアップするところで、ようやく昔読んでいた事を気づいた。
ここまで忘れてしまったのは珍しいが、たった一冊でも
そういった本があったことに愕然とした。
でも、東大医学部卒の東大名誉教授でも、
本の内容を忘れることに安堵。
また、正直にそれを書いていることに好感を持った。
本書でのミステリー本紹介、大いに参考になった。
ほとんどが海外ミステリなんだが、
ノース・パタースン「罪の段階」「子供の眼」は、すぐ買った。
キングが大好きなようで、ほとんど発刊されたそばから
ペーパーバックでも読んでいる教授だが、どうもキングは手が出ない。
一度読んでみたら、変わるかもしない。
ちなみに、本書の続編「小説を読みながら考えた」も購読した。