2013年5月 第581冊
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紀田順一郎 「図書館活用百科」 新潮選書
1981年初刊。
よって本書で採り上げられた12館も、今から三十年以上前の状況。
ついつい、ウィキペディアで今の状況を確認してしまった。
紹介された図書館12館は下記の通り。
・東村山市立図書館・・・地域のモデル館
・東京ゲーテ記念館・・・一個人が神泉に7階建てゲーテ専門図書館を建てた
・高知市民図書館・・・市立でなく敢えて市民図書館と銘打っている
・東書文庫・・・東京書籍を略して東書。教科書を集めた専門図書館
・大宅壮一文庫・・・ネットで今の現状を確認してしまった
・八戸市立図書館・・・八戸書籍縦覧所から続く、図書館成立史上最古の図書館
・天理図書館・・・大収集され、国宝まである大コレクション
・日本近代文学館・・・駒場公園内に設立された近代文学の宝庫
・東京国立近代美術館フィルムセンター・・・古い名画を格安で観れる
・山梨県立図書館・・・個人が執念で集めた甲州文庫が目玉
・日本点字図書館・・・ボランティアで点字や朗読吹込みがいいね
・国立国会図書館・・・全ての国内印刷物があるわけではない
パソコンが、ココまで進化するとは
予想していなかった1980年前後に書かれた。
よって、雑誌や書籍を片っ端から保存しないと、
将来貴重になるかもしれない文書が
どんどん散逸してしまう危機感が著者にある。
ネット情報は、全てを網羅しているわけでなく、
今後ネット調査だけで、全てを確認して
いってしまうことに不安を感じた。
三十年前の図書館情報だが、十分に楽しめる内容だった。