2013年7月 第593冊
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赤川次郎 「散歩道」 光文社文庫
赤川次郎のショートショート。
私の読書人生は、小4の吉川英治「三国志」「新平家物語」で始まったんです
が、中学時代に読み漁った星新一のショートショートで、活字中毒になりました。
ショートショートは軽い読み物で、あと一編、もう一編、
と読んでゆくうちに、一冊、読み終えてしまう。
読書は楽しい、活字は快楽を与えてくれる。
そう洗脳されてしまった。
赤川次郎は、数冊読みましたが、あまりの読みやすさと、
登場人物の善人ぶりに、もの足りなさを感じた。
小中学生が、赤川次郎を読んでいても大人は「勉強もしなさいよ」
と笑ってますが、宗教とか思想書なんか読んでいると、俄然心配します。
人畜無害な赤川に興味を深める筈もなく、ここ数十年赤川には
見向きもしませんでした。
ブックオフの文庫棚は、あかさたな順です。
私にとって「あ」と言えば東直己ですが、必ず赤川次郎が出て来る。
「どの店も赤川次郎の在庫はすごいなあ」と思いつつ、
赤川は、すっ飛ばしてるんですが、「これほど売れたからには
面白い本もあるだろう」と、ネットで検索してみました。
すると本書、ショートショート集が出ている事が判り、入手したわけです。
本書は、ファンクラブの会誌に連載されたものを集めており、
現在、第3集まで出ている模様。
ファンクラブの会誌に、作品提供する著者も凄いですが、
それが、文庫本になるとは。
そんな逸話ある本書ですが、中身のショートショートは大した事なし。
いかに星新一が偉大だったか、あらためて再認識できました。