2013年10月 第611冊
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岡崎武志 「読書の腕前」 光文社新書
書評家の本に関する文集。
面白かったのは、ブックオフについて書いてあること。
ブックオフは既存の古書店古本屋を廃業に追いやり、新本屋にも
悪影響しか与えていないとブッタ斬る批判が多いけど、
著者はブックオフ(略称:ブ)を活用していると正直に語る。
ブックオフを略称で呼んでいるのは私も同じで、
私は「BO」(ビーオー)と言っている。
古書店に行けば探している本が見つかる可能性は高いが、
希少なほど値段もそれ相応。
ところがBOの面白いところは、それが105円の場合が多いこと。
全国くまなく店舗展開し、どこでも似たようなラインナップだが、
時として信じられない掘り出し物が出て来る。
しかも商品サイクルが活発で、数ヶ月も経てば再度チェックが有効だ。
そんな訳で著者も国分寺・小金井界隈でグルリと巡回しているそうだ。
この辺はむかし住んでいたので、そんな事情も良く分かって好感。
本好きは多いが、ほとんどの嗜好が千差万別。
著者が語る本への想いや、対処も、ほとんど自分と違った。
へえ、そうなんだ、でも自分は違うし、そう思わんけど。
でも、本に関する文章は、気になって読んでしまう。
役立つから読む、だけじゃない世界が、「本に関する本」にはある。