2014年2月 第623冊
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紀田順一郎 「私の神保町」 晶文社
南條・海音寺・檜山・三野を、コレクターとして
何がなんでも買い集めているが、綱淵謙錠と紀田順一郎は、
安かったら買っている。
この紀田さん、意外と著作が多く、特に単行本で多い。
ブックオフだと百円で並んでたりして、もう狂喜乱舞。
百円で味わえるだなんて、紙福の古本談義が堪能できます。
最近、「幻書辞典」が文春文庫から、
「古本屋探偵登場」として改題再発された。
ビブリオマニア・ミステリーが流行っている昨今、
その先駆けともいえる紀田ミステリーが、
もっと話題になっても然るべし。
本書は、60年代から80年代、雑誌に掲載された
古本エッセイを纏めています。
新潮選書「古書街を歩く」の小文も混じっているので、
あれ?どこかで読んだ事がある、もしくは著者がネタを
使いまわしているのかな?なんて失礼なことを、
考えたりして読みました。
なんせ、60年代の古書業界や古本マニアの生態を
描いていますので、今とかなり違う。
それだけに、ノスタルジィというか、懐古主義といおうか、
それでも本が中心に文化が育まれていた最後の輝きが、
偲ばれます。
ほんと、このまま活字離れ、電子書籍化が進めば、
紙の本は、どうなってゆくんだろう。
著者の「神保町」に関する小文を、丁寧に集めています。