2014年2月 第629冊
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宮部みゆき 「レベル7」 新潮文庫
ややこしい大長編です。
書籍は大売れ、映像化もされ大成功ですが、
なにゆえ成功したのか解らない。
大きく2つの流れがある。
脇筋から真相を探ってゆくのが女主人公ですが、
この脇筋があるせいで本筋がかすんでいるし、
話が、ややこしくなって仕方ない。
刑事が犯人を追うのなら、
二筋あっても一本に収斂する不自然さはないが、
電話センターの世話焼きおばちゃんが、ここまで
探偵ごっこする流れに、リアリティ弱し。
記憶喪失の男女二人が、見知らぬワンルームで目覚める。
ギリギリの洋服しかないのに、五千万円という大金が
放置されている。
男も女も相手を思い出せないのに、隣人の男が妙に手助けしてきて、
とんでも怪しくて疑わしくてしょうがない。
この男女中心だけで話を進めていけばいいのに、もう一筋が始まる。
保険会社の電話相談センターで働く女性。
何度か悩みをかけてくる女子高校生が行方不明になった。
その消え方に不信を持った女性は、
休暇を取ってまで、捜査に乗り出す。
高齢の父と小学生の娘まで捜査に加わり、
宮部ワールド独特の探偵ごっこが始まる。
宮部さんの本がまだ十数冊残ってるんで、
分厚い本書(665ページ)から読んだのだが、
やっぱり苦行が続きそうです。