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2014年5月 第646冊
清水潔 「桶川ストーカー殺人事件」 新潮文庫
清水潔 「桶川ストーカー殺人事件」 新潮文庫

現実は、小説より奇なり。
まさにこの言葉を地で行くようなルポルタージュ。
アマゾン評価が圧倒的だったので、前々から読んでみたかった。

カメラマン上がりの、写真週刊誌「FOCUS」の記者、清水潔。
彼の慌しい記者人生の、一事件から本書は始まる。

ペットのハムスターに餌をやったり、せっかくの休日が
事件取材でフイになったり、そんな彼の日常の一コマから
物語のように始まる。そう!物語、雑誌記者が主人公の
ミステリー小説のように前半は始まる。

今から15年前、1999年、桶川駅前で女子大生が刺殺された。
彼女は元カレのストーカー被害にあっており、警察に相談し、
告訴までしていた、していた筈なのに殺された。

雑誌記者は周辺の聞き込みを行い、いつもどおり取材を進めていくが、
彼女の友人達からストーカー被害の実態を聞き、事件の深刻さを知る。

本件によってストーカー規正法が制定され、警察より雑誌記者の方が
先に犯人を見つけた驚きの内容。本件は規正法制定はもとより、
警察の諸問題も浮き彫りにし、大きな社会問題にまで発展してゆく。

本編だけでも、「うっわー」と大衝撃を受けたのですが、
最後の最後「文庫版あとがき」で、更にショックを受けた。

大衝撃を受け、すっかり著者清水氏に共感して本編を
読み終えた読者としては、著者のその後も気になる。

本書は2000年に単行本、2004年に文庫本化されたわけだが、
この4年の間に著者の身に激的な変化が起きてしまった。
本当に嘆かわしく、こんなことがあってもいいのかと義憤で一杯だ。







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