2014年5月 第648冊
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角田光代 「空中庭園」 文春文庫
一見幸せそうに見える家族。
実はそれぞれに悩みや隠し事があり、それを覆い被せて家族ごっこをしている、
というよくあるパターン。
読み進めると「なぁんだ」と思う反面、「他の家族はどうなの?」
と読み続けたくなるストーリー。
一章ごとに、娘、父親、母親、おばあちゃん、家庭教師、
息子と主人公が変わる仕組。
各人の日常は隠し事だらけ。
家に帰れば、明るく馬鹿で純朴な役割を演じる。
何でも話し合える、嘘のない屈託ない団欒。
でも一人になれば、それぞれの修羅がある。
よくある家族ゲーム小説なんだが、なかなか良く出来ており、正直面白い。