2014年9月 第667冊
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安部龍太郎 「戦国の山城をゆく」 集英社新書
2013年下期、安部龍太郎が直木賞を受賞しました。
自分の好きな作家が受賞すると、よしよし、とこちらまで
嬉しくなってきます。
私のツートップは南條範夫と海音寺潮五郎。
そのどちらも1956年と1936年に直木賞を受賞しています。
そのほか、今年2014年やっと受賞できた黒川博行、
2004年には奥田英朗が早々に受賞しています。
2002年乙川優三郎、1994年大沢在昌、1973年藤沢周平、
1972年綱淵謙錠、1960年司馬遼太郎と池波正太郎、1959年平岩弓枝。
唯一山本周五郎が受賞辞退をしているのが微笑ましい。
こうやって振り返ると、私の好きな作家の多くは評価されています。
イフ物に走った檜山良昭、軍事研究の三野正洋などは已む得まいとしても、
東直己(ミステリ)が取れてないのは残念なところ。
さて、そんなお気に入り作家安部龍太郎の歴史紀行。
戦国の山城に的を絞り、歴史的背景や城の歴史を語り、
自ら足を使って山城を登る。
山城を登ることによって、当時の武将たちの思いを感じ、
また実戦での想定など現地ならではのリポートが興味深い。
登った後は茶店で名物料理を食べたり、帰り道の温泉宿で
湯船に浸かったり山菜料理に舌鼓。
紀行文として読んでも良いが、歴史解説がさすが面白い。
選ばれた山城は、12城。
岐阜城、岩村城、観音寺城・安土城、越前一乗谷城、小谷城、比叡山延暦寺、
信貴山城、弥勒寺山城、丹波八上城、播州三木城、洲本城、紀州根来寺。