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2004年03月 第3冊
南條範夫 「隠密くずれ 剣光一閃」

南條範夫  「隠密くずれ 剣光一閃」  光文社文庫

いよいよ登場です、南條範夫。私がもっとも敬愛してやまない作家です。
ワタクシ、南條範夫を捜し求めて幾年月。今じゃすっかりコレクターです。
新刊本は残念ながらほとんど出ないため、もっぱら古本屋&ブックオフ巡りです。
どの店に入ってもまずは「な」行を探すクセになってます。バカみたいね。

南條氏の作品は大きく3系統に分類できます。
「残酷もの」「本格歴史もの」「チャンバラ・エンタメもの」です。
今回の作品はチャンバラ?ものです。

公儀の隠密2人が脱け出して、かつての仲間と戦い逃げつつ、
各藩の悪事をネタに権力者からカネを引き出す。
私が概略を書くとなんだかつまんなさそうですが、
これが実に面白く読める。

エンタメ系の南條氏の文は、平易でスピーディー。
会話中心でテンポがあり、そのくせ人間の心理と行動が自然で、
不条理さがない。

本編では「諏訪」「郡上八幡」「苗木」「新潟」「高田」が
舞台となっており、城下町や珍道中も楽しめます。
このシリーズは全3巻ある内の第1巻。しかし独立して楽しめますよ。






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